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私たちはしばしば、成功した人々を、彼ら自身の強い決意と努力、そして天性の能力によって厳しいビジネスの世界を切り抜けてきた孤高の人として描きがちです。
しかし、実際は何のサポートもなく成功を収めた人はほとんどいません。人生のある時点で、例えば大学時代の教授や就職した先の同僚、友人やパートナー、上司などから大きな影響を受け、物の見方や仕事の進め方も形作ってきたのです。
このように外から受けるあらゆる影響は、社員のキャリアをより高いレベルに導く上で価値があるほか、成長志向のある人材を惹きつけるための企業のブランディングにもつながります。ここではメンター制度とスポンサーシップ制度についてご紹介します。
スポンサーシップ制度とは、社員にアドバイスや指導を与えるに留まらず、より積極的にその社員がキャリアアップに繋がる特別な経験を得られるように応援する制度です。
単に助言や指導を与えるだけではなく、企業内での昇進をサポートしたり、社内のキーパーソンを紹介したり、ストレッチ・アサインメント(現在の力量を超える仕事を敢えて任せて、スキルセットの拡大を図る)を通じて戦略的に社員が成長できるよう支援したりします。また、重要なプロジェクトや契約の担当者に推薦することもあります。
スポンサーは、社員がキャリアアップを目指す中で、重要な味方となり、一緒に寄り添いながら才能を育んでくれる貴重な味方です。企業の報酬戦略に関するあらゆる情報を提供するPayScale Inc.の調査によると、スポンサーがいる人はいない人に比べて11.6%高い報酬を得ていると発表しています。
また、優れたスポンサーシップ制度は、企業に大きなメリットをもたらします。リーダーにふさわしいポテンシャルを持つ社員を見出す事は、社員の定着率や組織の生産性の向上、ひいては利益の増加につながります。 またそのことは、言うまでもなく、企業のブランディングの向上につながり、採用候補となる人材にとってその企業がより魅力的に映るようになります。
スポンサーシップ制度は、多くの業種で見られる男女格差を緩和する鍵でもあります。キャリアアップにおいて、女性は男性よりも見落とされがちです。このようなバイアスは、意識的であるか否かにかかわらず、企業の業績にも大きな影響を及ぼします。
「The Pipeline's Women Count 2020」と題された女性の経営参画などについてまとめた報告書によると、企業の取締役会に女性が全く存在しない企業の売上高純利益率は1.5%であるのに対し、33%を超える割合で女性がいる企業の売上高純利益率は15.2%と非常に高い値になっています。
スポンサー制度を通じて女性をリーダーに登用している企業は、シニアレベルでのジェンダーの多様性をさらに高めることができます。FTSE 350社では、女性が代表を務める企業の取締役会の男女比は平均2:1であるのに対し、男性が代表を務める企業は平均4:1となっています。 より多様性のある男女平等の職場環境は、企業のブランディングに大きく貢献することが証明されており、最も優秀な人材が考慮する魅力的な要素でもあります。
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メンターとは、助言者や相談者を意味し、新しく入社した社員が早く仕事や職場に慣れ、活躍できるようにするためにサポートする先輩社員のことを指します。メンター制度は、特定の分野でより現場感覚に基づいた視点を持つ人とつながることでキャリアゴールに向けて前進したい人材にとって有益で、キャリアで前進するために必要な変化を遂げることに注力できます。
メンター制度のメリットは絶大で、人材育成に関する様々なアイデアを提供するAssociation for Talent Managementの調査によると、Fortune 500社の71%がメンター制度を導入しています。メンター制度が企業と社員の双方にとって利点があることは明らかで、職場にメンターを置くことで、新入社員の仕事の習熟スピードを短縮するほか、オンボーディングプロセスも大きく改善し、社員向けのトレーニングやマネジメントにかかる時間を節約することができます。さらに、メンターは既に豊富な経験を持っていても、それを教える立場に立つことで新鮮な視点が得られ、仕事に対する知識が強化されるほか、満足度も高まります。
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では、なぜメンター制度は重要なのでしょう?また、それを導入している企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか?
効果的なメンター制度を導入するメリットは様々あります。仕事の効率や社員のモチベーションが高められるほか、仕事に対する満足度や定着率も向上し、結果として、企業の文化やブランディングが改善します。そして、これらの4つのメリットによって、転職を考えている最も優秀な人材にとって、その企業が競合他社よりも魅力的に映るようになるのです。
学びを得る機会があることは、優秀な人材が転職先を決める上で非常に重視する項目です。調査によると、キャリアを発展させる機会があることは、仕事の内容に次いで、職場での幸福度を左右する重要な要素となっています4。 社員がキャリア目標達成を積極的にサポートする姿勢を見せることは、企業が社員の成長を大切に考えているというメッセージを発信することになり、採用候補となる人材にあなたの企業で働きたいと思わせる理由になります。
メンター制度を導入することで得られるメリットには、社員の定着率が上がることも含まれます。離職による欠員を補充するためのコストだけでなく、離職者が出ることで社員の士気やチームワーク、企業文化に及ぶ影響は大きく、既存社員や今後採用する社員が抱く企業の印象にも影響を与えかねません。カリフォルニアのハイテク企業Sun Microsystemsの調査によると、メンティー(72%)とメンター(69%)の定着率は、メンター制度に実施していない社員(49%)よりも二割以上も高いことが分かっています5 。
ハーバード・ビジネス・レビューの調査によると、ミレニアル世代の71%が熱意を持って仕事をしていないという結果が出ています。メンター制度は、社員が自らの仕事に情熱を持ち、その仕事に自ら取り組んでいきたいと考えるようになるために特に有効です。実際、メンター制度に参加した後、それらのミレニアル世代の人材の78%が、企業に対するエンゲージメントが高まったと感じると回答しています。エンゲージメントが高まればその企業で働くことの充実感が増し、結果的に定着率の向上につながります。また、エンゲージメントの高い社員は生産性も高く、そのような社員を擁する企業の収益性は、同業他社に比べ21%高いことが分かっています。
優れたメンターは、個人と組織の架け橋となるだけでなく、企業がメンター制度を導入することは、その企業が社員のキャリアアップを実現するためのスキル向上にコミットしているということを示すことになります。マイケル・ペイジの採用・転職ガイド「人材トレンド2021」の調査によると、成長機会があるという項目は、採用候補となる人材が転職先を選ぶ際に考慮する重要なポイントの1つであり、エンプロイー・エクスペリエンス(入社してから退職に至るまでに従業員が得る体験)をポジティブなものにするための重要な要素です。
企業文化が良好であれば、社員のモチベーションや士気が高められ、生産性と効率がさらに向上します。また、給料以外の何かを提供できる企業であることが示され、社員の維持や採用活動にもポジティブな影響をもたらします。
メンター制度やスポンサーシップ制度の良い所は、それに関わる当事者たちだけではなく、その外部にもポジティブな波及効果が広範囲に及ぶことです。社員を効果的に惹きつけ、育成し、維持することで、企業は業界内で競争力のある地位を得ることができます。それによって企業イメージも向上し、優秀な人材を惹きつけられるようになり、企業の収益性がさらに高まります。
リーダーシップ・コミュニケーション(p.11)
社員のメンタルヘルスと「ウェルビーイング」(p.12)
メンターシップと女性のリーダーシップ(p.14)